研究テーマ


研究テーマ

私たちの研究室では次のような研究テーマを進めています。

 

 准教授 池永英司:新奇ナノ粒子の電子状態、埋もれた界面を分析する技術開発

 

1) 固-気、固-液界面現象の電子状態の探索

・特異的水素結合の電子状態観測

・Fe2O3鉄鋼材料における電圧印加における腐食機構解明

・一塩基変異体(SNP)分析検出システム開発

・次世代二次電池:Naイオン電池材料開発

・金錯体めっきの分解過程解析

・自動車用潤滑油膜(高省燃費性)の開発

 

2) 共鳴硬X線光電子分光の高度開発

・共鳴複合分光法の確立

・5d遷移ナノ金属の元素選択電子状態計測

・光触媒活性サイトに局在した電子状態解明

 

3) 分光解析法の確立

・ベイズ推定を用いた新たなInformatics分光解析法の確立

 

4) Lab.-HAXPES装置の開発

・学内での硬X線光電子分光装置開発

 

 

助教 小川智史:水素エネルギーの有効貯蔵、ナノ材料の可能性向上

 

1) 水素吸蔵ナノ材料の作製と特性評価

 

2) 常温・常圧で水素を吸放出する高性能な材料の開発

・水素ガスの漏れ検知センサへの応用

 

3) 新規なゴム材料の開発、環境低負荷タイヤの開発

 

4) 貴金属ナノ粒子の低減、排気ガス浄化触媒の開発

 

これらのテーマの多くは、企業や大学との共同研究です。

共同研究に関するお問い合わせは、当研究室教員までお寄せください。

 

 

共同研究(2023年度)

当研究室では次の先生方と共同研究を行っています。

共同研究者(敬称略) 共同研究のテーマ
水牧仁一朗(熊本大学) 「ベイズ推定を用いたX線分光スペクトル解析法の開発」
吉田朋子(大阪公立大学) 「反応中の光触媒を対象としたXAFS測定システムの開発」
木内久雄(東京大学) 「硬X線光電子分光用の温度制御溶液セルの開発と界面での不純物イオンの化学状態分析」
山本宗昭(大阪公立大学) 「ナノメートルサイズ酸化ガリウムの合成とその光触媒活性評価」
保井晃(JASRI) 「共鳴硬X線光電子分光による5d遷移金属材料の元素選択電子状態計測・解析技術開発」

過去の学生の研究テーマ

液中プラズマ法
液中プラズマ法

事例1 液中プラズマ法で作製したPdナノ粒子の表面修飾状態に依存した分散安定性に関する研究(B4)

 

極めて速い水素吸蔵速度をもつPd(パラジウム)のナノ粒子について、液中プラズマ法で作製する場合、どの条件が溶液中での分散の維持に効果的かをしらべました。作製過程で必要な電解質(クエン酸)の濃度を変化させてPdナノ粒子を作製し、一定時間の静置後の分散状態の維持の具合と、ナノ粒子の表面状態をX線光電子分光(XPS)を用いて分析しました。その結果、分散状態の維持に最適なクエン酸の濃度と、分散が維持されるメカニズムを解明しました。

 

キーワード:ナノ粒子、水素吸蔵、液中プラズマ法、XPS

事例2 ベイズ推定およびレプリカ交換法を用いた新たなX線分光解析(B4)

 

従来の解析手法(Levenberg-Marquardt法)よりも正確なスペクトル解析を可能にする解析手法として、「ベイズの自由エネルギー」を用いた「ベイズの定理」と「レプリカ交換モンテカルロ法」を組み合わせた解析手法の開発を行いました。今後、計算速度の向上などを目指して研究を続けていきます。

 

キーワード:スペクトル解析、ベイズ推定、レプリカ交換法、解析学